営業グループの大澤です。
アクリルのレーザーカットは、今やレーザー加工の定番ですが、困ったことにアクリルの種類によっては、カットした断面に黄ばみ・変色が発生してNGになることがあります。
今回は、白いアクリル板(コッパク・骨白)をレーザーカットする時に、黄ばみ・変色を軽減させる方法をご紹介します。
ちょっとした工夫で加工品質が向上する方法なので、ぜひお試しください。
アクリルをレーザーカットした時のカット断面の青ばみ・変色
画像はレーザー加工機でカットした、アクリルの切り文字です。
直角の部分をご覧いただくと、紺色に変色しているのが分かると思います。
これでは、せっかくの白色アクリルが台無しです。
レーザーカッターの特徴である、なめらかなカット品質でもこれでは…
そこで、あらゆる試行錯誤を重ねた結果、黄ばみ・変色を抑えることに成功しました!
このブログをご覧いただいている方だけに、裏技を伝授させていただきます…。
アクリルの黄ばみ・変色を軽減させる裏技は、焦点距離の調整!
黄ばみ・変色を抑える裏技とは、焦点距離を基準値より3~6mm離すという方法です。
焦点合わせを行ってから、レーザーヘッドをさらに+3~6mmアップさせると、アクリルの黄ばみ・変色が抑えることができました。
焦点距離を離してレーザーカットした切り文字の断面です。
目立った変色はほぼなくなっています!
ちなみに、焦点距離を基準値より近づけた場合は、黄ばみ・変色に改善は見られませんでした。
アクリルの黄ばみ・変色は、レーザーを照射した際に発生する瞬間的な化学変化によるものと考えられます。
焦点距離を基準値より離すことによって、化学変化が起こりにくくなり、黄ばみ・変色が軽減されるようです。
アクリルの厚みや製造メーカー、レーザー加工機の出力数によって、黄ばみ・変色の度合いは異なります。
代表的なメーカーの目安表です。参考までにご活用ください。
メーカー/厚み別の焦点距離の目安
レイヨン/3mm厚 → 焦点距離:+5mm
レイヨン/5mm厚 → 焦点距離:+6mm
カナセ /3mm厚 → 焦点距離:+7mm
カナセ /5mm厚 → 焦点距離:+8mm
パラグラ/3mm厚 → 焦点距離:+6mm
パラグラ/5mm厚 → 焦点距離:+7.5mm
レーザー加工に関するお困りごと、疑問がございましたらお気軽にお声がけください!
以上、アクリルをレーザーカットした時のカット断面の黄ばみ・変色を軽減させる方法でした!
他にも「いつもレーザー加工する時、こんなことが困っているんだよな~」「レーザー加工の品質をよくする方法ないかな?」など、気になることがございましたら、お気軽にコムネットにお声がけください!