プロダクトサポートグループの藤田です。
今回は、私がこれまで培ってきたノウハウをもとに開発した、汎用性が高く便利なオリジナル治具をご紹介します。
目次
治具を使った加工でこんなお悩みありませんか?
ボールペンなどの既製品へロゴや名前をレーザー彫刻する際、加工する材料を固定するために、治具(じぐ)を使っている方が多いと思います。
レーザーカッター・レーザー加工機を導入されている方は、アクリル板やMDFをレーザー加工して治具を作成されている方が多いと思います。
画像のように、加工する材料のサイズに合わせた枠を切り抜いて、材料を枠の中に設置して加工する、といった治具を作成されている方が多いのではないでしょうか。
しかし、このタイプの治具を使っていると、次のようなお悩みはありませんか?
転がって、加工する位置がずれてしまう。(特にペンのような円筒型の材料)
そのまま置くと水平にならない材料がある。
私もこれまで多くのユーザー様から同じようなお声をいただき、このようなお悩みを解決できるオリジナル治具を開発しました。
僭越ながら開発者の名前を取って、「フジタ式治具」としてご紹介します。
コムネット独自開発「フジタ式治具」の使い方
フジタ式治具のパーツは下記の4つです。
- 土台となるパーツ
- 縦位置を合わせるための固定用パーツ
- 材料を支えるための固定用パーツ(2つ)
各パーツは、MDFをレーザーカットしただけなので、簡単に作成できます。
使い方は、土台のパーツへ固定用パーツをそれぞれ差し込むだけ。
加工する材料を置いて、縦位置を揃えるパーツに沿って設置すると、同じ位置で固定されてレーザー加工ができます。
「フジタ式治具」を使う4つのメリット
では次に、フジタ式治具を使うことによるメリットを4つ紹介していきます。
①材料をしっかり固定できる
2点のパーツで支えているので、円筒型の材料でも転がる心配がありません。
②材料を水平に置ける
2つの固定用パーツの高さや支える部分を加工することで、ある程度の材料なら水平に固定することができます。
固定用パーツの加工方法は、のちほど「固定パーツ作成のコツ」でご説明しておりますので、そちらをご参考ください。
③レーザー加工後、材料を一気に回収できる
固定用パーツの間は空間があるので、加工後の材料の回収がとても簡単です。
これまでの治具だとひとつひとつ手で取っていたと思いますが、フジタ式治具では一気に回収することができます。
④固定用パーツを交換するだけで色々な材料に対応できる
2つの固定用パーツを交換するだけで、どんな材料でも対応できるのが大きな特徴です。
土台パーツ、縦位置の固定パーツは1つずつあれば十分です。
材料ごとにいちから治具を作成する必要がないですし、場所を取らずに済むので管理がとても楽になります。
「フジタ式治具」の固定用パーツ作成のコツ
最後に、フジタ式治具の要である固定用パーツの作成方法についてご説明します。
次のボールペンを例にします。
まず固定パーツを作成するために、ボールペンのサイズを計測します。
サイズを計測する場所は、治具で支えることになる2点です。
今回のボールペンだと、赤いラインで示している2か所になります。
このとき、計測する箇所の下半分がパーツによって支えられることを意識して計測するようにしましょう。
計測する2か所の間の距離は、固定パーツを差し込む幅に合わせるように気をつけましょう。
次に計測したサイズに合わせて、加工データを作成します。
先ほど下半分がパーツによって支えられることを意識するようにお伝えしました。
ボールペンのような円筒型の材料の場合は、計測した部分の太さに合わせて半円型にデータを作成します。
今回のボールペンは、ポケットに入れられるようにクリップがついているタイプなので、半円型だと回転してしまいます。
クリップ部分も固定できるようにデータを作成します。
また、治具に置いた時にレーザー加工する面が水平になるように高さを調整しましょう。
うまく調整できれば画像のような曲面が特徴的なグラスも水平に置いてレーザー加工することができます。
このように、支えられる2点の断面と高さを意識することで、しっかりと固定できる治具パーツが作成できます。
サンプルデータを無料配布しております。
今回、活用例としてご紹介したボールペン用の治具データを無料でダウンロードできるようにしておりますので、ご自由にお使いください。
以上、オリジナル治具のご紹介でした。
治具を改善するといった方法でも、余分なコストを削減して生産性アップにつなげることができると思いますので、ぜひ活用してみてください。
データの作成方法など、ご不明な点ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
会報誌「コムネットニュースレター vol.63」をブログ記事にしてお届けしています
※このブログ記事は、2020年5月にお客様に紙面でお届けした会報誌「コムネットニュースレター」vol.63に収録しているコンテンツをデジタル化してバックナンバーとして掲載しております。