レーザーカッター・レーザー加工機選びの無料相談を受け付けているコムネットのメンテナンスグループの田村です。
レーザー加工機は精密機器です。安定した稼働には、適切な環境で使用することが重要です。
不適切な環境で使用を続けると、一時的な不具合のみならず、部品の故障につながったり、耐用年数を縮めてしまいます。
とくに日本は年間を通して四季によって温度や湿度の変化が大きいため、より対策が必要になります。
レーザー加工機を安定して長くご利用いただくためにも、適切な環境で使用しましょう。
レーザーカッター・レーザー加工機の使い方や選び方をプロに聞きたい方へ。
あなたに最適なレーザーカッター選びを無料でお手伝いします。
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目次
レーザー加工機に適した温度・湿度
レーザー加工機に適した温度・湿度は、下記の通りです。
- 室温:15~30℃
- 相対湿度:15~80%
※使用していない時も環境の維持が推奨されます。(夜間など)
※結露が発生しない範囲となります。
※数値は機種によって多少の差異がございます。
暑い季節における注意点と対策
暑い季節では、レーザー加工機の適正室温を上回る危険性のほかに、下記のようなことが発生する恐れがあります。
- オーバーヒート
- 結露
オーバーヒート
レーザー加工機の温度上昇(加工によって発する熱または直射日光)に対して冷却が間に合わないと、レーザーの出力に不良が発生したり、最悪の場合、故障する可能性があります。
結露
気温が高い、かつ湿度が高いと、まわりに比べ温度が低くなる箇所(冷却水の循環部分など)で結露が発生する場合があります。
結露による水滴が、機械の故障につながる可能性があります。
室内環境を適正環境に保つよう心がけましょう。
オーバーヒートを防ぐための対策
オーバーヒートを防ぐには、下記のような対策が有効です。
暑い季節は特に意識して取り組みましょう。
- レーザー加工機の通気口の付近に物を置かないようにする
- 冷却チラーのラジエーター部のフィルターを定期的に清掃する
- 冷却チラーの排熱面に物を置かないようにする(水冷機の場合)
- 直射日光が当たる場合は、遮光カーテンなどを用いて日光を遮る
適正室温を下回った際に起きること
レーザー加工機の適正室温を下回った際には、下記のようなことが発生する恐れがあります。
- 発振管が収縮してレーザーが出なくなる
- 潤滑剤やオイルが硬化して、加工品質が悪化する
- 凍結または極端に冷えた冷却水が循環してレーザー本体が故障する
発振管が収縮してレーザーが出なくなる
発振管は、レーザー光線の「エンジン」にあたる重要な部分です。
レーザー加工機で最も高価な部品にあたるため、交換費用が高額になる場合もあります。
潤滑剤やオイルが硬化して、加工品質が悪化する
潤滑剤やオイルが硬化すると、駆動部品の摩擦が大きくなります。
レーザーヘッドやテーブルなど駆動部に影響が出るため、加工品質が悪化する恐れがあります。
凍結または極端に冷えた冷却水が循環してレーザー本体が故障する
水冷式レーザー加工機またはチラーを使用されている方はご注意ください。
凍結または極端に冷えた冷水がレーザー加工機本体を循環すると、故障の恐れがあります。
適正室温を下回らないようにするための対策
レーザー加工機の適正室温を下回らないようにするためには、下記のような対策が有効です。
とくに冬季、寒冷地の方は注意しましょう。
- 暖房器具またはエアコンで適正な室温を保ちましょう
- 室温を急激に温めないようにしてください
- 熱源をレーザー加工機本体の近くに置かないようにしましょう
以上、レーザー加工機の適切な設置環境(温度・湿度)について解説しました。
ご不明な点ございましたら、お気軽にカスタマーサポートセンターまでお問い合わせください。
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会報誌「コムネットニュースレター vol.76」をブログ記事にしてお届けしています
※このブログ記事は、2023年7月にお客様に紙面でお届けした会報誌「コムネットニュースレター」vol.76に収録しているコンテンツをデジタル化してバックナンバーとして掲載しております。