レーザー加工する上で必ず必要な焦点合わせ(高さ合わせ)の作業。
「なぜ必要なの?」 「焦点と加工品質にどんな関係があるの?」 と疑問に思われたことはありませんか?
今回は、レーザー加工における焦点の意味や、焦点合わせに関連する不具合についてご紹介します。
目次
レーザー加工の「焦点」とは?
レーザー加工機(XY方式の場合)は、発振管から出力されたレーザー光をフォーカスレンズで集光して、素材に接する点でエネルギーを最大にして加工します。レーザー光が集束され、最もエネルギーが集中している点を焦点と言います。
この焦点を加工する素材に合わせることで、最も効率的で精細なレーザー加工をすることができます。これを焦点合わせ(高さ合わせ)と言います。
GCC社製レーザーに標準搭載されている「オートフォーカス機能」は、焦点と加工する素材の表面をボタンひとつで合わせてくれる機能で、通常のオペレーションでご活用いただいていると思います。
他には、マニュアルピン(あらかじめ焦点が合う長さに設定されたピン)を使って、手動で焦点を合わせる方法があります。
レーザーの焦点が合っていないと、加工品質にどんな影響があるの?
レーザーの焦点が加工する素材と合っていないと、下記のように、加工品質に大きく影響する場合があります。 このような現象が起きた際は、もう一度焦点合わせを行ってみてください。
バリが出る。カットできない。
カット断面が斜めになる。
彫刻が薄い。ぼやける。
細かい形状をカットした際、つぶれてしまう。(焦点が合っていないと、レーザー径(太さ)が太くなるため)
焦点合わせを行っても、うまく加工ができない場合は?
焦点合わせをしっかり行っていても、加工品質が安定しない場合は、下記のような原因で焦点が合わなくなっている場合があります。
フォーカスレンズがくもっている、汚れている
フォーカスレンズにくもりや汚れ、傷があると、レーザー光がうまく集束されず焦点が定まらない場合があります。 清掃を行ってみましょう。傷や消耗がひどい場合は、交換が必要になります。
加工テーブルが傾いたり、たわんでいる
ハニカムテーブル、アルミグリッドが傾いていたり、たわんでいると、場所によって焦点が合わなくなり、加工品質にバラツキが生じます。たわみや歪みがひどい場合は、交換が必要になります。
焦点・マニュアルピンの設定が誤っている
オートフォーカス機能の設定や、マニュアルピンの長さが、実際の焦点と違っている場合があります。設定の変更や、マニュアルピンの長さの調整が必要になります。
まとめ
下記の4点が、レーザーの焦点が合っていない際に起こる現象でした。
加工品質に下記のような現象が見られた場合は、再度焦点合わせを試してみてください。
それでも症状が変わらない場合は、お気軽にカスタマーサポートセンターまでお問い合わせください。
- バリが出る。カットできない。
- カット断面が斜めになる。
- 彫刻が薄い。ぼやける。
- 細かい形状をカットした際、つぶれてしまう。
会報誌「コムネットニュースレター vol.61」をブログ記事にしてお届けしています
※このブログ記事は、2020年1月にお客様に紙面でお届けした会報誌「コムネットニュースレター」vol.61に収録しているコンテンツをデジタル化してバックナンバーとして掲載しております。