掲載内容
ラベル新聞(2020年2月1日号)にて、海外のレーザー加工機導入事例が掲載されました。
レーザー加工機を導入することで後加工工程の強化を図り、少人数で万単位の顧客数をさばいて内製化することに成功した、オランダの大手ラベル印刷会社、ラベル・コレクティブ・グループの導入事例をご紹介していただきました。
海外企業リポート
ラベル新聞 3面「海外企業リポート」より引用
ラベル・コレクティブ・グループ(オランダ)
ラベル・コレクティブ・グループはオランダの大手ラベル印刷会社だ。
かつてはラベルを外注していたという同社は現在、ダースト(durst)のデジタル印刷機に加え、Seiレーザーのレーザー加工機「LABELMASTER(ラベルマスター)」を導入。
高品質性と高生産体制を両立させ、ヨーロッパ圏内のクライアントにラベルを提供している。
ラベルマスターで後加工工程の強化を図り、少人数で万単位の顧客数をさばいて内製化を成功させた、同社のこれまで・いま・これからに迫る。
以前はラベル印刷と抜き加工を協力会社に依頼していたラベル・コレクティブ・グループは、納期対応と外注コストがネックになり、2012年から内製化にかじを切った。
しかしながら、社員が30人強という少人数体制で5万人にのぼる大量の顧客の注文に対応。
内製化後も、納期の問題は解決できずにいたという。
同社の主要な取引先は、醸造所に健康飲料、大手ECサイト。彼らの発注は時には少量で時には大ロット、さらに1枚ずつ内容の異なるバリアブルラベルと実にさまざま。
こうした多様な顧客層とデザイン仕様にも安定的に対応可能な生産体制を構築するうえで、同社は納期長期化の主因である抜き加工を短縮する策を探していた。
選定と決定のポイント
セットアップの時間がショートカットできる、バリアブルデータ切り替え時の手間が少ない、専門的な知識がなくても誰でも加工対応が可能――。
さまざまな仕様条件のラベルを速やかに加工することで納期短縮を図りたい同社は、レーザー加工機に着目した。
メーカーや機種の選定で、リチャード・レンセン社長が最も重視した点は「安定稼働するマシンの信頼性」だったという。
同社が設備したSeiレーザーの「ラベルマスター」は、世界各国での導入実績が実証する信頼性に加え、ロール・ツー・ロール型のレーザー加工機では世界初となる「4ヘッド搭載」が特徴。
レーザー4基による毎分最大100メートルという高速加工を実現している。
また、型抜き用の刃型は当然不要。
従来のアナログ機で生じていた刃型の交換や抜き厚調節に要するダウンタイムもなく、パラメーターを設定するだけで特別な技術も知識も要らず、誰でも同じ品質で抜き加工を施すことができる。
「少人数ながら欧州全体に5万人もの顧客を抱え、ラベルとサービスを提供している当社。ラベルマスターの処理速度と加工精度があれば納期短縮を実現できると判断し、購入を決定した」(レンセン社長)
効果の評価とこれから
現在同社では、顧客のほとんどがオンラインシステムでラベルを発注するという。 デジタルフロントエンドを活用して、データ入稿からプリプレス、プレス、ポストプレスと各工程を統合管理する。
ラベルマスターの導入効果を、レンセン社長は次のように評価する。
「4ヘッドレーザーが瞬く間にジョブを処理するため、従来の手法に比べると納期は飛躍的に短縮された。加工工程のスピード化に伴い、ラベルマスター導入後はクライアントへの〝迅速で正確な納品〟が可能となり、こうした生産体制がわれわれの強みとなった。こうして、ブランドオーナーら顧客からは〝信頼性の高いラベルサプライヤー〟としてのポジションを確立することができた」
デジタル・ツー・デジタルの機動力を最大限に発揮する生産体制を整備することでラベルの内製化を軌道にのせ、ますます成長を遂げていく同社。
今後の展望について、レンセン社長は「われわれはダースト(durst)のデジタルラベル印刷機とSeiのラベルマスターの導入によって、生産性と品質向上を果たした。これからも挑戦と努力を続け、信頼いただけるラベルサプライヤーとして市場で存在感を発揮していけるよう、持続的な成長を遂げていきたい」と語っている。
掲載物:ラベル新聞
発行日:2020年2月1日(土)
発行元:ラベル新聞社