企業の販売管理、生産管理、予算管理などの情報システムを導入する際、そのシステム自体は必ずと言っていいほどリレーショナルデータベース(Relational Database 以下略称:RDB)を利用されています。
今回は、RDBとはどんなものか?使用するメリット・デメリットについてそれぞれ解説していきます。
そもそもデータベースとは?
まず、データベース(Database。略称:DB)とはなにか?それはズバリ「情報をまとめているもの」です。
普段の取引のなかでは、「取引先」「商品」「注文」など、さまざまな情報を扱っています。
皆様はそのような大量の情報をどこでどのように管理されていますか?
社内管理システムを導入する会社様もあれば、Excelもしくはファイルボックスで管理している方も当然いらっしゃると思います。
実はその社内管理システム、Excel、ファイルボックスも立派な「データベース」といえます。
RDB(リレーショナルデータベース)とは?
では、本題のRDBについてですが、RDBというのは、従来のデータベースの各データ間にリレーション(関連性)を加えて、一元管理できる統合管理環境になります。
RDBを導入するメリットとして、主に以下の3点があります。
- 優れた情報の整合性
- 情報取得の効率化
- 生産性の向上
では、それぞれ詳しくご説明していきます。
RDB(リレーショナルデータベース)を導入するメリット1:優れた情報の整合性
例えば、取扱商品のデータベースで「商品名(例:アクリル)」と「商品分類(例:加工資材)」というデータを別々で管理しているとします。
ここに新しい商品(例:ガラス)をデータベースに登録する際、「商品名」に「ガラス」とだけ登録して、「商品分類」にデータを登録しなかった場合、データベースはどうなるでしょうか?
例えば、「月ごとの『加工資材』の売上を見たい。」といった場合は、データベース上の「商品分類が『加工資材』である商品の売上データ」を集計します。
ところが、前述のように「商品分類」に登録がない商品(ガラス)があると、集計データの対象からは外れてしまい、本来集計しなければならない商品が、集計に含まれないといったことが起きてしまいます。
RDBでは、あらかじめ「商品名」と「商品種別」にリレーション(関連性)を設定することで、商品名のみで登録しようとすると「商品分類が存在しないため、登録できません」というようなエラーメッセージを表示させることができます。
これにより「商品分類」がない商品が登録されることはなくなるので、整合性の取れたデータベースを構築することができます。
RDB(リレーショナルデータベース)を導入するメリット2:情報取得の効率化
社内の膨大な情報から必要な情報だけを取得する、もしくは集計する際に、情報を探す(検索)自身も煩雑な作業になることが多々あります。
RDBでは、大量なデータでも関連性を持つことで、すばやく検索できることもできますし、少し異なるデータからでも検索することが可能です。
RDB(リレーショナルデータベース)を導入するメリット3: 生産性の向上
社内担当者はデータの検索、集計作業に度々苦労していることが多いのではないでしょうか?RDBでは、そういった煩雑な作業から解放することができ、生産性の向上に繋げることができます。
メリットがある反面、デメリットもあります。これもあわせてご説明します。
RDB(リレーショナルデータベース)を導入するデメリット1:規則が多い。
RDBでデータの検索・集計を素早く実行できることは高度・厳密な規則(ルール)に支えられているため、データ登録、データ更新、データ削除の作業それぞれにルールに従う必要があります。
初めにそういった規則(ルール)を習得・設定する時間と手間を要します。
RDB(リレーショナルデータベース)を導入するデメリット2:導入コストがかかる。
もちろん無料で提供しているRDB製品もありますが、やはり大手企業が提供している大型RDB製品の方が、より安全、より安心に情報を取り扱うことができるので、それなりに導入費用が必要になってきます。
RDB(リレーショナルデータベース)を導入するデメリット3:専門知識が必要な時がある。
もちろん専門知識がなくても一般的な登録、変更、更新、削除といった操作は十分可能ですが、やはり高度な自動化を求める場合、専門知識(SQL、Procedure)などを用いてプログラムを開発することが多いので、専門の技術者が必要になる場合があります。
以上、RDB(リレーショナルデータベース)のメリットとデメリットをご紹介させて頂きました。
社内データベースの管理方法において、RDBを導入するかは、メリット・デメリットを十分踏まえた上で、検討しましょう。